検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 71 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Numerical reproduction of the seasonal variation in dissolved uranium in Lake Biwa

齋藤 龍郎; 山澤 弘実*; 望月 陽人

Journal of Environmental Radioactivity, 255, p.107035_1 - 107035_14, 2022/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

琵琶湖の溶存ウラン(DU)の季節変動を、以下のモデル・パラメータ研究により再現した。導入したモデルは、水-DUの物質収支と、湖岸土壌におけるUO$$_{2}$$$$^{2+}$$とH$$^{+}$$のイオン交換である。最適化されたパラメータは4つであり、湖岸の陽イオン交換容量(CEC)、DUとAU(土壌吸着U)の和である全ウランTU、Uの急速な土壌吸着と脱着時の一次反応速度係数(kadsとkdes)であった。DUを構成する化学平衡を表し、各化学種の寄与を分析した結果、DUの季節変動はpHの季節変動に起因していることが示された。イオン交換平衡に、1日のAU比がkads以上に増加したとき、あるいはkdes以下に減少したときのみ1次速度反応に移行する補正を加えることにより、DU測定の再現性が向上し、DUピークがpHピークから遅れることが再現された。

論文

Hydrogen release reaction from sodium hydride with different sample quantities

土井 大輔

Proceedings of 29th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 29) (Internet), 7 Pages, 2022/08

In sodium-cooled fast reactors (SFRs), hydrogen is a major nonmetallic impurity in the coolant during normal operation. A higher hydrogen concentration than the gas-liquid equilibrium had been transiently detected in the gas space of the actual SFR plant. However, the chemical reactions that caused hydrogen generation, which involve several sodium compounds, have not been identified. Furthermore, the thermal behavior of these hydrogen release reactions has not been thoroughly investigated. In this study, the hydrogen release behavior of sodium hydride, which could be involved in all of these reactions, was clarified by two experimental methods dealing with different sample quantities. In the thermal analysis with a semi-micro sample of about 1mmol, the hydrogen generation was demonstrated by mass spectrometry as the sample mass decreased, suggesting thermal decomposition. A monomodal hydrogen release curve similar to the thermal analysis result was obtained in the heating experiment with a macro amount sample of about 1mol. These experimental results showed consistent activation energies within the standard error. Therefore, it was elucidated that the ideal reaction behavior obtained by thermal analysis could be sufficiently extrapolated to the reaction behavior occurring in a larger amount of sample. These findings provide fundamental insights into the thermal decomposition of sodium hydride and are indispensable for analyzing hydrogen release behavior in other hydrogen release reactions involving sodium hydride.

論文

Characterization of F$$^{+}$$-irradiated graphite surfaces using photon-stimulated desorption spectroscopy

関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; Nath, K. G.

Surface and Interface Analysis, 38(4), p.352 - 356, 2006/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:7.16(Chemistry, Physical)

部分電子収量(PEY)法と光刺激イオン脱離(PSID)法とを組合せた新しいX線吸収端微細構造(NEXAFS)分光法の開発を行った。その開発された検出器を用いてF$$^{+}$$イオン照射により表面修飾を施したグラファイト最表面における結合配向を調べた。PEY法により測定されたフッ素1s内殻励起準位の角度依存NEXAFSスペクトルには大きな偏光角度依存は認められなかった。それに対し、飛行時間質量分析法によりF$$^{+}$$イオンを検出し、その収量を縦軸とするNEXAFSスペクトルを得た。F$$^{+}$$イオン収量スペクトルは吸収スペクトルと異なり=C-Fサイトに由来する$$sigma$$*(C-F)励起において強度増強された。またそのピークのみピーク面積が顕著に偏光角度に依存した。イオン脱離と二次電子放出のそれぞれの観測深さを見積もり考察を行った。イオン収量XAFSは表面敏感であり、電子収量XAFSはバルク敏感であると結論した。またH$$^{+}$$イオンやF$$^{+}$$イオンの収量XAFSスペクトルも表面構造や解離・脱離過程に関して有用な知見を与えることもわかった。

論文

Mechanism of state-specific enhancement in photon-stimulated desorption as studied using a polarization-dependent technique

関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; Wu, G.*; 北島 義典*

Surface Science, 593(1-3), p.310 - 317, 2005/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:11.66(Chemistry, Physical)

回転型飛行時間質量分析装置(R-TOF-MS)を用いて、分子固体表面最上層で起こる結合解離と脱離過程における分子配向効果を研究した。凝縮塩化ベンゼンの質量スペクトル,電子収量法,イオン収量法による高分解能NEXAFSスペクトルの偏光角度依存性を報告する。凝集分子ではCl 2s$$rightarrow$$$$sigma$$*$$_{C-Cl}$$共鳴励起でCl$$^{+}$$イオン収量が増加する現象に関して顕著な配向効果が観測された。下層による緩和に表面上の分子の結合方向が大きく影響を受けることから、この配向効果には電荷中性化緩和が重要な役割を果たしている。$$pi$$*$$_{C=C}$$共鳴励起では偏光依存性を全く示さなかった。このことから離れた原子を内殻励起しても「遠い」結合には直接解離が起こらず、おもに2次電子により解離が引き起こされるものと考察する。

論文

Direct and indirect processes in photon-stimulated ion desorption from condensed formamide

池浦 広美*; 関口 哲弘; 馬場 祐治; 今村 元泰*; 松林 信行*; 島田 広道*

Surface Science, 593(1-3), p.303 - 309, 2005/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:26.14(Chemistry, Physical)

われわれが近年開発した脱離イオン種をプローブとする(XAFS)分光法の基礎データ拡充のため、ホルムアミド分子の凝縮系試料の実験を行った。分子内のC, N, O元素におけるXAFS測定が可能でありC-H, N-H結合を区別して最表面の配向構造分析することが可能であることが示された。さまざまなX線励起エネルギー,生成物種,励起偏光角度について測定した飛行時間質量スペクトルから生成物が放出される際の初期運動エネルギーを求め、イオン脱離機構を調べた。運動エネルギーは発生メカニズム(直接解離/間接解離機構)を大きく反映すること、また多成分存在することが示された。

論文

Local bonding states of ion-irradiated graphite characterized by photon-stimulated desorption (PSD) spectroscopy

関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; Nath, K. G.

Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 144-147, p.437 - 441, 2005/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:17.62(Spectroscopy)

表面における配向を化学結合種ごとに分析する新しい実験手法を開発した。偏光NEXAFS法はX線吸収スペクトル測定により表面の結合状態や配向方向を決定する手法である。軟X線領域ではX線吸収測定のためには通常全電子収量を測定する。本研究においては放射光励起に起因する脱離イオンの質量分析を行い、X線励起エネルギー依存性及びその偏光依存性を測定することにより個々の化学結合について配向解析を行う実験を試みた。系としては核融合第一壁において重要とされる重水素イオン照射グラファイトを用い、脱離するH$$^{+}$$及びD$$^{+}$$イオンを観測した。また高配向グラファイト単結晶を出発物質として使い照射による配向の乱れを観測した。電子収量はC-HとC-Dの平均構造を与えるのに対し、D$$^{+}$$収量は照射により生じたC-D結合周辺のみの局所構造を与える。H$$^{+}$$は未照射領域のC-H結合の情報を与える。

論文

Characterization and degradation of ZEP520 resist film by TOF-PSID and NEXAFS

池浦 広美*; 関口 哲弘; 小池 正記*

Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 144-147, p.453 - 455, 2005/06

 被引用回数:15 パーセンタイル:56.91(Spectroscopy)

ZEP520はポジ型電子照射レジスト材料であり、半導体微細加工において最良の空間分解能を与えている。そのため近年PMMAに代わりゾーンプレート素子等のデバイス材料に使われ始めている。さらなるパターンサイズ微細化のためにはラインエッジラフネス,ポリマー凝集など課題を抱えている。本研究においてはZEP520の基礎物性を得ることを目的とし、直線偏光放射光による内殻励起分光を用い、ZEP520/Si(100)の薄膜特性とX線照射効果を調べた。脱離イオン検出による表面偏光解析によりC-Cl結合は最表面においてのみ配向(40$$^{circ}$$)を示した。Cl 1s内殻励起によりC-Cl結合が顕著に切断されCl元素が排除される。Si 1s励起により基板との放射線化学反応生成物が増加する。生成物収量の励起エネルギー依存性測定により反応生成物(SiC$$_{x}$$H$$_{y}$$O$$_{z}$$Cl$$_{n}$$)の電子構造,生成機構を考察した。

論文

Polarization-dependent dissociation selectively induced by core-electron excitation in methyl ester terminated self-assembled monolayer

木崎 寛之*; 和田 眞一*; 佐古 恵里香*; 隅井 良平*; 輪木 覚*; 漁 剛志*; 関谷 徹司*; 関口 哲弘; 田中 健一郎*

Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 144-147, p.447 - 451, 2005/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:27.35(Spectroscopy)

光刺激イオン脱離(PSD)法により放射光励起プロセスにおける内殻電子励起後の電子緩和,解離,脱離に至る機構がより詳細に調べられてきた。放射光のエネルギー可変性を使い内殻共鳴励起を引き起こすことにより特定の化学結合の切断を誘起できる可能性が示されて以来、放射光励起プロセスはさらに大きな興味がもたれてきた。本研究は放射光の励起エネルギー可変による選択性に加え、Au(111)表面上に制御して吸着された自己組織化(SAM)配向膜の結合軸にX線の偏光ベクトルを一致させることによりさらなる選択励起を目指した。ランダム配向であるPMMAポリマー薄膜に比較し、SAM膜は約4倍高い反応選択性を示した。実験結果は直接解離過程と2次電子による間接過程が関与している反応機構により考察された。

論文

Thermal desorption behavior of deuterium implanted into polycrystalline diamond

木村 博美*; 佐々木 政義*; 森本 泰臣*; 竹田 剛*; 児玉 博*; 吉河 朗*; 小柳津 誠*; 高橋 幸司; 坂本 慶司; 今井 剛; et al.

Journal of Nuclear Materials, 337-339, p.614 - 618, 2005/03

 被引用回数:7 パーセンタイル:44.9(Materials Science, Multidisciplinary)

本研究では、炭素材料中でのトリチウムの化学的挙動をさらに理解するため、多結晶ダイアモンド(PD)に打ち込まれた重水素の脱離過程に注目し、同様の実験を行ったグラファイト単結晶(HOPG)からの重水素脱離挙動と比較した。HOPG及びPDから得られた重水素のTDSスペクトルの比較から、HOPGからの重水素脱離は、sp2C及びsp3Cからの脱捕捉であり、PDからのそれはsp3Cからの脱捕捉であることが示唆される。一方、メタンの脱離スペクトルをそれぞれ比較すると、それぞれの試料において、ピーク温度がそれぞれの重水素脱離ピーク温度と同じであった。このことより、メタンの脱離には重水素の脱離が関与していると考えられる。つまり、メタンの脱離過程は、CD3とDの表面での再結合律速過程であることを示唆している。これらの結果より、打ち込まれた重水素の脱離には材料中の炭素の化学状態、つまり、混成軌道の違いが関与しているものと考えられる。

論文

高輝度かつ高エネルギー分解能放射光を用いた表面化学反応ダイナミクスの解析

寺岡 有殿

電気学会技術報告, (970), p.10 - 15, 2004/07

Si(001)表面は酸素分子によって酸化される。温度とガス圧をパラメータとして酸化膜形成,SiO脱離,その共存と反応様式は変化する。本研究によって酸素分子の持つ並進運動エネルギーも表面化学反応に影響を与える重要なパラメータであることが明らかにされてきた。室温における酸素分子の並進運動エネルギー誘起酸化,1000K以上の高温におけるSiO脱離反応に対する並進運動エネルギーの影響,900Kから1000Kの温度領域におけるSiO脱離と酸化膜形成の共存の反応機構について解説した。

論文

Ion desorption from DNA components irradiated with 0.5 keV ultrasoft X-ray photons

藤井 健太郎; 赤松 憲; 横谷 明徳

Radiation Research, 161(4), p.435 - 441, 2004/04

 被引用回数:14 パーセンタイル:37.81(Biology)

DNAの放射線損傷のメカニズムを解明するため、直接イオン化や放射線トラックに生じた二次電子によって受ける損傷を調べることは、重要な課題である。本研究では軟X線照射によって引き起こされるDNA中の特定サイトで起こる分子フラグメントを観測することを試みた。実験はSPring-8原研専用ビームラインBL23SUにおいて行い、軟X線照射によって得られる、表面脱離イオンを四重極質量分析器によって観測した。試料としてDNA構成分子である、デオキシリボース,チミン,チミジンTMPを用い、得られたフラグメントのパターンから、DNA分子中では糖のサイトが脆弱部位であることが明らかになった。

論文

超音速酸素分子線を用いたSi(001)表面の高温酸化過程における化学反応ダイナミクス

寺岡 有殿; 吉越 章隆; 盛谷 浩右

真空, 47(4), p.301 - 307, 2004/04

Si(001)と酸素分子の高温における酸化反応の並進運動エネルギー効果について最近の研究成果を解説する。SiO分子の脱離収率の温度依存性,酸素の吸着曲線、及びシリコンの化学結合状態が並進運動エネルギーで変化することを述べる。酸化膜形成とSiO脱離が共存する化学反応過程に対する並進運動エネルギーの効果を議論する。

論文

Fragmentation pathways caused by soft X-ray irradiation; The detection of desorption products using a rotatable time-of-flight mass-spectrometer combined with pulsed synchrotron radiation

関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; Nath, K. G.

Free Electron lasers 2003, p.II_69 - II_70, 2004/00

強い自由電子レーザー(FEL)の出現によりこれを照射光源とした光化学反応や光電子顕微鏡など「2次過程」を利用した分光研究が行われはじめ注目を集めている。特にFELのパルス特性は飛行時間質量分析法を使ううえで非常に有利な特性である。軟X線を固体表面に照射すると表面を構成する分子などが解離しフラグメントイオンとして脱離する。フッ素化した高配向性グラファイト材料を試料としてパルス放射光軟X線と飛行時間質量分析を組合せた照射実験に関して報告する。特に入射するX線の偏光角度を変えることにより特定の結合角度を持つ吸着分子を選択的に励起し、さらに脱離分子の運動エネルギー分布の測定を行うことによりフラグメント脱離の機構を調べた。通常の電子収量法によるNEXAFSスペクトルの偏光角度依存性,イオン収量法による方法,XPSスペクトルから得られる表面構造についても報告する。

論文

Element- and orientation-selective photo-fragmentation using polarized synchrotron radiation

関口 哲弘; 池浦 宏美*; 馬場 祐治; 下山 巖; Nath, K. G.

Photon Factory Activity Report 2002, Part B, P. 80, 2003/11

本件は放射光研究施設の課題報告である。放射光エネルギーを特定原子の内殻軌道電子の共鳴励起準位に合わせることにより励起された原子近傍の結合解裂が促進される。これは「サイト選択分解」と呼ばれ、気相系で数多く研究されている。本研究では分子が表面に吸着した際、サイト選択性がどのように変化するかを調べた。分解反応は基板により影響を受けると予想される。そのため回転型飛行時間質量分析装置(R-TOF-MS)と放射光の偏光性を組合せた実験手法を開発し、各吸着角度で分解反応がどのように異なるかを調べた。シリコンまたは金基板上に水,有機酸類,アルデヒド類,ベンゼンハライド類を吸着した系について実験を行った。全ての試料系でサイト選択反応が起こるとき顕著な吸着角度依存性が観測された。また非サイト選択的分解(励起サイトから離れた結合の解裂)は吸着角度に依存しない。選択的解離は直接分解に由来し、非選択的解離は2次電子により引き起こされると結論した。

報告書

ストロンチウム-セリウム酸化物セラミックス中のトリチウムの存在状態及びその除去特性(協力研究)

中村 博文; 西 正孝; 森田 健治*

JAERI-Research 2003-016, 32 Pages, 2003/08

JAERI-Research-2003-016.pdf:5.5MB

核融合炉材料からのトリチウム除去回収に関する研究の一環として、核融合炉のトリチウム回収システムへの応用研究が進められているストロンチウム-セリウム(Sr-Ce)系酸化物セラミックスプロトン導電体にトリチウムを注入し、酸化物試料中のトリチウムの存在状態を等速昇温脱離法により調査した。その結果、Sr-Ce系酸化物中でのトリチウムは、主として水酸基の状態で存在しているため、その除去には1300K以上での加熱放出が必要なことを明らかにした。また、トリチウムを注入した試料を水蒸気濃度が異なる空気中に曝露し、その際のトリチウム放出量及び放出化学形の水蒸気濃度依存性を測定することにより、トリチウム除去機構について検討した。その結果、空気曝露によるトリチウム除去率は小さく、そのほとんどが、試料表層のOT基と水蒸気との同位体交換反応により水状として放出されるトリチウムであることを明らかにした。また、酸化物中の溶解トリチウムと酸素欠損への酸素の引き抜き現象に起因する水蒸気曝露による水素状でのトリチウム放出もわずかではあるが確認できた。以上の結果、酸化物中におけるトリチウムの存在状態の違いによる空気曝露時のトリチウム除去機構の違いを明らかにし、トリチウム除去法の最適化のための基礎データを得た。

論文

Coexistence of passive and active oxidation for O$$_{2}$$/Si(001) system observed by SiO mass spectrometry and synchrotron radiation photoemission spectroscopy

寺岡 有殿; 盛谷 浩右; 吉越 章隆

Applied Surface Science, 216(1-4), p.8 - 14, 2003/06

 被引用回数:6 パーセンタイル:35.62(Chemistry, Physical)

SPring-8のビームラインBL23SUに設置された表面反応分析装置を用いて、O$$_{2}$$/Si(001)表面反応系における表面酸化とSiO脱離が900Kから1000Kの表面温度範囲で共存することが見いだされた。SiOはおおむね1000K以上の温度で著しく大きな脱離収率を示す。脱離収率はO$$_{2}$$分子の運動エネルギーが大きいほど大きい。ところが、1000K以下では逆の傾向を示した。すなわち、運動エネルギーが小さいほどSiO脱離収率は大きい。Si(001)表面の酸素の吸着曲線をO-1s光電子強度で測定した結果、SiO脱離収率の結果と整合した。これらの事実から900Kから1000Kの表面温度範囲ではSi(001)表面の酸化とSiOの脱離が共存することが明らかとなった。

論文

Orientation effect on phot-fragmentation and ion-desorption from the topmost layers of molecular solids

関口 哲弘; 池浦 広美*; 馬場 祐治

Surface Science, 532-535(1-3), p.1079 - 1084, 2003/06

最近開発された回転型飛行時間質量分析装置(R-TOF-MS)と直線偏光放射光を用いて、分子固体表面最上層で起こる結合解離と脱離過程における分子配向効果を研究した。講演では凝縮ギ酸,ホルムアミド,ベンゼンの質量スペクトル,電子収量法,イオン収量法による高分解能NEXAFSスペクトルの偏光角度依存性を報告する。凝集ホルムアミド分子ではC1s$$rightarrow$$ $$sigma$$*$$_{C-H}$$共鳴励起でH$$^{+}$$イオン収量が増加する現象に関して顕著な配向効果が観測された。下層からの励起緩和には表面上の分子の結合方向が大きく影響を受けることから、この配向効果には内殻軌道励起による直接解離過程と電荷中性化緩和の両方が起こっていることが重要な役割を果たしていると結論された。また、あるイオン種は偏光依存性を全く示さなかった。例えば、HCOND$$_{2}$$においてC1s励起によるD$$^{+}$$イオン収量がそうであった。このことから内殻電子励起しても励起された原子から「遠い」結合には必ずしも直接的な解離は起こらず、解離が起こるとすれば2次電子により引き起こされるものと結論した。

論文

Active control of chemical bond scission by site-specific core excitation

和田 眞一*; 隅井 良平*; 漁 剛志*; 輪木 覚*; 佐古 恵理香*; 関口 哲弘; 関谷 徹司*; 田中 健一郎*

Surface Science, 528(1-3), p.242 - 248, 2003/03

 被引用回数:45 パーセンタイル:84.06(Chemistry, Physical)

内殻軌道電子が特定原子に局在しているため放射光エネルギーを共鳴励起準位に合わせることにより励起された原子近傍の結合解裂が促進されると期待される。ポリメチルメタクレートポリマー,水素置換メチル基,重水素置換メチル基,エチル基を持つ硫黄系自己組織化膜(SAM)を金基板に吸着した試料を放射光照射した。パルス放射光を組合せた回転型飛行時間質量分析法により生成物を測定した。全ての分子において側鎖だけを選択的に光分解できることがわかった。また放射光の偏光角度を SAM分子の主骨格の角度に合わせたとき反応選択性が最も向上するという新しい現象が見いだされた。

論文

Active control of site specificity in ion desorption by core excitation

和田 眞一*; 佐古 恵理香*; 隅井 良平*; 輪木 覚*; 漁 剛志*; 関口 哲弘; 関谷 徹司*; 田中 健一郎*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 199, p.361 - 365, 2003/01

 被引用回数:11 パーセンタイル:59.38(Instruments & Instrumentation)

内殻軌道電子が特定原子に局在しているため放射光エネルギーを共鳴励起準位に合わせることにより励起された原子近傍の結合解裂(「サイト選択光分解」)が促進されると予想される。ポリマー(ポリメチルメタクレート,PMMA)薄膜,PMMAの類似モノマーであるメチルイソブチル酸エステルの凝集薄膜及びPMMAに類似した自己組織化単分子(SAM)薄膜(HS(CH$$_{2}$$)$$_{2}$$COOCH$$_{3}$$)の放射光照射を行い分子環境の変化及び光偏光角度の変化が及ぼす分解反応の選択性への影響を調べた。ポリマー薄膜と単分子薄膜はサイト選択分解が起こるのに対し凝集薄膜では選択分解は起こらない。またSAM膜では顕著な偏光角度依存性が観測された。分子環境が反応選択性に大きく影響することが見いだされた。

論文

Control of O$$_{2}$$ adsorption and SiO desorption by incident energy of O$$_{2}$$ molecules in the O$$_{2}$$/Si(001) surface reaction system

寺岡 有殿; 吉越 章隆; 盛谷 浩右

Atomic Collision Research in Japan, No.29, p.68 - 70, 2003/00

Si(001)表面の酸素分子による酸化反応には酸化膜の形成とSiO分子の脱離の二つの反応様式がある。われわれは酸素分子の並進運動エネルギーを変化させることによって、二つの反応様式を選択できることを見いだした。それに関する2002年の研究について報告する。

71 件中 1件目~20件目を表示